「更年期に入ってから、肩こりがどんどんひどくなり、もう毎日が憂鬱…」「頭痛や吐き気までしてきて、本当に限界!」そう感じているあなたは、決して一人ではありません。多くの女性が更年期に経験するつらい肩こりは、単なる筋肉の疲れだけが原因ではありません。実は、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調、血行不良などが複雑に絡み合って、これまで経験したことのないひどい肩こりを引き起こしているのです。
この記事では、更年期の肩こりがなぜこれほどひどくなるのか、その根本的な理由を分かりやすく解説します。さらに、今すぐ実践できる即効性のあるケア方法から、食生活や睡眠といった生活習慣を見直して体質から改善する長期的な対策まで、あなたの悩みを解決するための具体的な方法を網羅的にご紹介します。
もう諦めていたひどい肩こりも、正しい知識と適切なケアで劇的に楽になります。この情報を通じて、あなたの体と心に寄り添い、軽やかで快適な毎日を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
1. 「もう限界」更年期のひどい肩こりに悩むあなたへ
毎日の生活の中で、肩の重さや痛みに「もう限界」と感じていませんか。特に更年期に入ってから、これまで経験したことのないようなひどい肩こりに悩まされている女性は少なくありません。朝起きてもスッキリせず、日中も常に肩に重い荷物を背負っているような感覚。夜になっても痛みが引かず、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めてしまったりすることもあるかもしれません。
家事や仕事、趣味の時間さえも、肩こりのせいで楽しめなくなっていませんか。首や背中までガチガチになり、頭痛や吐き気を伴うこともあり、精神的にも大きな負担を感じているかもしれません。もしかしたら、「これは年齢のせいだから仕方ない」「私が我慢すればいい」と諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。
1.1 更年期の肩こり、こんな症状に心当たりはありませんか
一般的な肩こりとは異なり、更年期に現れる肩こりには、特有の辛さがあります。以下のような症状に、ご自身の状態が当てはまるかどうか確認してみてください。
- 肩だけでなく、首や背中、腕まで広がる痛みやだるさ
- マッサージを受けても、その場しのぎでまたすぐに元に戻ってしまう
- 温めても冷やしても、なかなか痛みが和らがない
- 頭痛やめまい、吐き気などを伴うことがある
- 寝ても疲れが取れず、朝から肩が重い
- イライラしたり、気分の落ち込みを感じやすくなったりする
- 集中力が続かず、物事に意欲が湧きにくい
これらの症状は、単なる筋肉疲労だけでなく、更年期特有の体の変化が深く関わっている可能性があります。多くの場合、女性ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調が、肩こりをさらに悪化させているのです。
1.2 一人で抱え込まないでください
「私だけがこんなに辛い思いをしているのではないか」と感じるかもしれませんが、更年期のひどい肩こりは、多くの女性が抱える共通の悩みです。決して一人で抱え込む必要はありません。このつらい状況から抜け出すための方法は必ずあります。
この先を読み進めていただくことで、あなたの肩こりがなぜこれほどひどくなっているのか、その根本的な原因を理解し、今日からすぐに試せる具体的な改善ケアから、長期的に体を整えていくための対策まで、様々な角度からのアプローチをご紹介いたします。諦めずに、もう一度、軽やかな毎日を取り戻すための一歩を踏み出してみませんか。
2. 更年期に肩こりがひどくなる根本原因
更年期に差しかかると、多くの女性が経験する身体の変化の中でも、特に肩こりはつらい症状の一つです。なぜこの時期に肩こりがひどくなるのか、その根本的な原因を深く掘り下げていきましょう。
2.1 ホルモンバランスの乱れが引き起こす影響
更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が大きく変動し、最終的に減少していく時期です。このエストロゲンの減少が、肩こりの悪化に深く関わっています。
エストロゲンは、骨や血管、筋肉の健康維持に重要な役割を担っています。その分泌量が減ると、血管の柔軟性が失われ、血行が悪くなりがちです。肩や首周りの筋肉への酸素や栄養の供給が滞り、老廃物が蓄積しやすくなるため、筋肉が硬くなり、こりとして感じやすくなります。
また、エストロゲンの減少は、痛みを抑制する物質の分泌にも影響を与えると考えられています。そのため、以前は気にならなかったような軽いこりでも、痛みとして強く感じやすくなることがあります。
| エストロゲン減少による影響 | 肩こりへのつながり |
| 血管の柔軟性低下 | 血行不良を引き起こし、筋肉への酸素・栄養供給が不足します |
| 筋肉の質の変化 | 筋肉が硬くなり、老廃物が蓄積しやすくなります |
| 痛覚の変化 | 痛みを抑制する力が弱まり、痛みを感じやすくなります |
2.2 自律神経の乱れと血行不良の関係
ホルモンバランスの乱れは、私たちの意思とは関係なく身体の機能を調整する自律神経にも大きな影響を与えます。自律神経は、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経の二つから成り立っています。
更年期には、ホルモンバランスの変動によって自律神経のバランスが崩れやすくなります。特に、交感神経が優位になりやすい状態が続くと、血管が収縮し、血流が悪くなります。これにより、肩や首の筋肉への血流がさらに滞り、こりが悪化する原因となります。
交感神経が優位な状態では、筋肉も緊張しやすくなります。常に肩に力が入っているような状態が続き、疲労が蓄積しやすくなるのです。この自律神経の乱れによる血行不良と筋肉の緊張が、更年期のひどい肩こりの大きな要因となります。
| 自律神経の乱れ(交感神経優位)の影響 | 肩こりへのつながり |
| 血管の収縮 | 血行不良を招き、筋肉への酸素・栄養供給が不足します |
| 筋肉の緊張 | 筋肉が硬直し、疲労物質が蓄積しやすくなります |
| 睡眠の質の低下 | 疲労回復が遅れ、全身の緊張状態が続きます |
2.3 ストレスや生活習慣による悪化要因
更年期の肩こりは、ホルモンや自律神経だけでなく、日々のストレスや生活習慣によっても大きく左右されます。これらの要因が複合的に絡み合い、肩こりをさらにひどくするケースが少なくありません。
精神的ストレスは、自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にする大きな要因です。仕事や人間関係、更年期症状そのものへの不安など、心にかかる負担は、無意識のうちに肩や首の筋肉を緊張させ、血行不良を招きます。
また、身体的ストレスや不適切な生活習慣も肩こりを悪化させます。
- 姿勢の悪さ: 長時間のスマートフォン使用やデスクワークによる猫背、前かがみの姿勢は、首や肩に過度な負担をかけ、筋肉を硬直させます。
- 運動不足: 筋肉を動かす機会が少ないと、血流が悪くなり、筋肉の柔軟性も低下します。
- 冷え: 体が冷えると血管が収縮し、血行不良がさらに進みます。特に首や肩が冷えると、筋肉が硬くなりやすくなります。
- 睡眠不足: 睡眠は心身の疲労を回復させる重要な時間です。質の悪い睡眠や睡眠不足は、自律神経の乱れを助長し、筋肉の緊張を解きにくくします。
- 食生活の偏り: 栄養バランスの偏った食事は、筋肉や血管の健康を損ない、体質を冷えやすくすることもあります。
これらの要因は単独で作用するだけでなく、お互いに影響し合い、更年期のひどい肩こりを慢性化させる原因となるのです。
3. 今すぐ試せる即効改善ケア
「もう限界」と感じる更年期のひどい肩こりには、今すぐ実践できる具体的なケアで痛みを和らげ、心身の負担を軽減することが大切です。ここでは、ご自宅や職場で手軽に試せる即効性のある改善策をご紹介します。
3.1 劇的に楽になるストレッチとマッサージ
凝り固まった筋肉をほぐし、血行を促進することで、肩こりの症状は劇的に楽になることがあります。無理のない範囲で、毎日少しずつ取り入れてみてください。
3.1.1 肩甲骨を意識したストレッチ
肩甲骨は「天使の羽」とも呼ばれ、この周辺の筋肉が硬くなると、肩こりだけでなく首や背中の痛みにもつながります。肩甲骨を大きく動かすことで、周辺の血流が改善し、筋肉の緊張が和らぎます。
- 肩回し運動: 両肩を耳に近づけるように持ち上げ、そのままゆっくりと後ろに大きく回し下ろします。これを数回繰り返した後、今度は前から後ろへ回します。肩甲骨が動いているのを意識しながら、深呼吸と合わせて行うと効果的です。
- 胸を開くストレッチ: 両手を体の後ろで組み、手のひらを返して腕を伸ばします。そのまま組んだ手をゆっくりと下へ引き下げながら、胸を天井に向かって開くように意識します。肩甲骨が内側に寄るのを感じながら、数秒キープします。
- 首のストレッチ: 頭をゆっくりと左右に傾け、首筋の伸びを感じます。次に、あごを引いて首の後ろを伸ばしたり、ゆっくりと左右に回したりします。急な動きは避け、痛みを感じない範囲で行いましょう。
3.1.2 効果的なセルフマッサージ
手や指、または市販のマッサージグッズを使って、凝り固まった部分を優しくほぐしましょう。入浴後など、体が温まっているときに行うと、より効果を実感しやすくなります。
- 首の付け根から肩にかけて: 首の付け根にある太い筋肉(僧帽筋)を、指の腹で優しく揉みほぐします。円を描くように、または上から下へ流すようにマッサージします。
- 肩甲骨の内側: 届きにくい場合は、テニスボールなどを壁と体の間に挟み、肩甲骨の内側をグリグリと刺激するように転がします。痛気持ち良いと感じる程度の強さで行いましょう。
- 鎖骨の下: 鎖骨の下には胸の筋肉があり、ここが硬くなると肩が前に巻き込みやすくなります。指の腹で優しく押したり、円を描くようにマッサージしたりしてほぐします。
3.2 温めケアと入浴で血行促進
体を温めることは、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげるための基本です。特に、更年期の肩こりは冷えが原因で悪化することも多いため、積極的に温めケアを取り入れましょう。
3.2.1 手軽な温めケア
日常生活の中で簡単に取り入れられる温めケアをご紹介します。
- 蒸しタオル: 温かい蒸しタオルを首や肩に当てると、じんわりと温まり、筋肉が緩むのを感じられます。電子レンジで温めるタイプや、お湯で濡らして絞るタイプなど、手軽に作れます。
- 温熱シートや使い捨てカイロ: 肩や首に直接貼れる温熱シートや使い捨てカイロは、外出先や仕事中でも手軽に温めケアができます。低温やけどには注意し、肌に直接貼らないように衣類の上から使用しましょう。
- 温かい飲み物: 体の内側から温めることも大切です。温かいハーブティーや白湯などをこまめに飲むことで、全身の血行促進をサポートします。
3.2.2 効果的な入浴方法
シャワーだけで済ませず、湯船にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、リラックス効果も高まります。
- 湯船に浸かる: 38~40℃程度のぬるめのお湯に、15~20分程度ゆっくりと浸かりましょう。全身が温まり、筋肉が緩むことで肩こりの緩和につながります。
- 入浴剤の活用: 炭酸ガス系の入浴剤は、血行促進効果が期待できます。また、ラベンダーやカモミールなどのアロマ成分が含まれた入浴剤は、リラックス効果を高め、自律神経を整える助けにもなります。
- 入浴中のストレッチ: 湯船の中で、首や肩をゆっくりと回したり、肩甲骨を動かすストレッチをしたりするのもおすすめです。温まった体で行うことで、より筋肉が伸びやすくなります。
3.3 市販薬や湿布の賢い選び方
痛みがひどい時には、市販薬や湿布を上手に活用することで、一時的に症状を和らげることができます。ご自身の症状や体質に合ったものを選びましょう。
3.3.1 市販の内服薬
肩こり用の市販薬には、痛みを和らげる成分や、血行を促進する成分、神経の働きをサポートするビタミンなどが配合されています。
| タイプ | 主な成分 | 期待できる効果 | 選び方のポイント |
| 鎮痛成分配合 | イブプロフェン、ロキソプロフェンなど | 炎症を抑え、痛みを緩和します。 | 急な痛みや炎症を伴う場合に。胃への負担を考慮し、空腹時を避けて服用します。 |
| ビタミンB群配合 | ビタミンB1、B6、B12など | 神経の働きを正常化し、筋肉の疲労回復を助けます。 | 慢性的な肩こりや神経痛に。血行促進成分が配合されているものもあります。 |
| 生薬成分配合 | 葛根湯(かっこんとう)など | 体を温め、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。 | 冷えによる肩こりや首筋の凝りに。体質に合うか確認しましょう。 |
服用する際は、必ず添付文書をよく読み、用法・用量を守ってください。他の薬との飲み合わせや、持病がある場合は薬剤師に相談することをおすすめします。
3.3.2 湿布剤の種類と選び方
湿布剤には、主に冷湿布と温湿布、そして消炎鎮痛成分が配合されたものがあります。症状に合わせて使い分けましょう。
| タイプ | 特徴 | 選び方のポイント |
| 冷湿布 | 患部を冷やし、炎症を抑える効果が期待できます。 | 熱を持っている、ズキズキとした痛みがあるなど、急性期の症状に適しています。 |
| 温湿布 | 患部を温め、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげます。 | 慢性的な肩こり、冷えからくる痛みに適しています。血行促進成分が配合されているものもあります。 |
| 消炎鎮痛成分配合湿布 | インドメタシン、フェルビナクなどの成分が配合され、痛みの原因に直接作用します。 | 強い痛みや炎症を伴う場合に。冷感タイプと温感タイプがあります。 |
湿布を貼る際は、清潔な肌に貼り、かゆみやかぶれが生じたらすぐに剥がしましょう。長時間貼り続けると肌トラブルの原因になることもあるため、交換の目安を守ることが大切です。
これらの即効改善ケアは、あくまで一時的な症状の緩和を目的としています。症状が改善しない場合や、さらに悪化する場合は、無理をせず、専門家への相談も検討してください。
4. 根本から改善する長期的な対策
更年期のひどい肩こりは、一朝一夕に改善するものではなく、体の内側から体質を整える長期的なアプローチが非常に重要です。日々の生活習慣を見直し、根本原因に働きかけることで、つらい肩こりのない快適な毎日を目指しましょう。
4.1 食生活と栄養で体質改善
毎日の食事は、私たちの体を作る基本です。更年期には、ホルモンバランスの変化に伴い、体に必要な栄養素も変化します。特に、肩こりや更年期特有の不調を和らげるためには、バランスの取れた食生活が欠かせません。
特に意識して摂りたい栄養素と、それが更年期の肩こりにどう影響するかをまとめました。
| 栄養素 | 期待できる効果 | 多く含まれる食品 |
| タンパク質 | 筋肉や血管の材料となり、しなやかな体づくりをサポートします。血行促進にも関わります。 | 肉類、魚介類、卵、大豆製品(豆腐、納豆など) |
| カルシウム | 骨の健康維持だけでなく、神経の興奮を抑え、筋肉の収縮をスムーズにする働きがあります。 | 牛乳、乳製品、小魚、小松菜、豆腐 |
| マグネシウム | 筋肉の収縮や神経伝達に関わり、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 | 海藻類、ナッツ類、大豆製品、ほうれん草 |
| ビタミンD | カルシウムの吸収を助け、骨の健康を保ちます。免疫機能の維持にも重要です。 | きのこ類、鮭、さんま、卵 |
| ビタミンB群 | エネルギー代謝を助け、神経機能の維持に不可欠です。疲労回復にも役立ちます。 | 豚肉、レバー、玄米、豆類、緑黄色野菜 |
| 大豆イソフラボン | 女性ホルモンと似た働きをし、ホルモンバランスの乱れによる不調の緩和に役立つとされています。 | 大豆製品(豆腐、納豆、味噌など) |
これらの栄養素をバランス良く摂取するためには、主食、主菜、副菜を揃えた和食中心の食事が理想的です。加工食品やインスタント食品を避け、旬の食材を積極的に取り入れることで、体に必要な栄養を効率良く摂ることができます。また、カフェインやアルコールの過剰摂取は、自律神経の乱れや血行不良を招くことがあるため、控えめにすることをおすすめします。
4.2 質の良い睡眠で自律神経を整える
更年期の肩こりには、自律神経の乱れが大きく関わっています。自律神経は、心身のオンオフを切り替える重要な役割を担っており、そのバランスが崩れると、筋肉の緊張や血行不良を引き起こしやすくなります。この自律神経を整える上で、質の良い睡眠は不可欠です。
睡眠中に体は疲労を回復させ、自律神経のバランスを調整します。しかし、更年期には寝つきが悪くなったり、夜中に目覚めやすくなったりと、睡眠の質が低下しがちです。質の良い睡眠を得るために、以下の点に注意してみましょう。
- 規則正しい生活リズム:毎日同じ時間に寝起きすることで、体のリズムが整いやすくなります。
- 寝る前のリラックスタイム:就寝の1~2時間前に入浴を済ませ、体温が下がるタイミングで布団に入ると寝つきが良くなります。アロマオイルを焚いたり、温かいハーブティーを飲んだりするのもおすすめです。
- 寝室環境の整備:寝室は、暗く静かで、適度な温度と湿度を保つようにしましょう。スマートフォンやパソコンの使用は、脳を覚醒させるため、寝る前は控えてください。
- 軽い運動の習慣:日中に適度な運動をすることで、夜間の睡眠の質が向上します。ただし、寝る直前の激しい運動は避けてください。
心身ともにリラックスできる時間を意識的に作り、質の良い睡眠を確保することが、自律神経を整え、肩こりを根本から改善する第一歩となります。
4.3 運動習慣でしなやかな体づくり
更年期の肩こり改善には、適度な運動が非常に効果的です。運動によって血行が促進され、硬くなった筋肉がほぐれるだけでなく、ストレス解消や自律神経のバランスを整える効果も期待できます。また、しなやかな体を作ることで、肩こりになりにくい体質へと変化させることができます。
激しい運動である必要はありません。無理なく続けられる運動を日常に取り入れることが大切です。
- ウォーキング:毎日30分程度のウォーキングは、全身の血行を促進し、気分転換にもなります。正しい姿勢を意識して歩くことで、肩周りの筋肉も自然と使われます。
- 軽い筋力トレーニング:肩甲骨周りや背中の筋肉を鍛えることで、姿勢が安定し、肩への負担が軽減されます。ダンベルを使わない自重トレーニングから始めてみましょう。
- ストレッチ:特に肩甲骨や首周りのストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、血行を改善します。お風呂上がりなど、体が温まっている時に行うとより効果的です。
- ヨガやピラティス:これらの運動は、呼吸法と体の動きを連動させることで、自律神経のバランスを整え、インナーマッスルを鍛え、しなやかな体を作ります。
運動を行う際は、正しい姿勢を意識することが重要です。猫背や巻き肩は、肩こりを悪化させる大きな原因となります。日頃から、背筋を伸ばし、肩の力を抜いて過ごすことを心がけましょう。運動習慣を身につけることで、更年期の肩こりだけでなく、全身の健康維持にも繋がります。
5. 専門医に相談するタイミングと治療法
セルフケアを続けても更年期のひどい肩こりが改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほど症状が重い場合は、専門家への相談を検討する大切なタイミングです。更年期による肩こりは、複合的な要因が絡み合っていることが多く、専門的な視点からの診断や治療が有効な場合があります。ご自身の状態に合わせて、適切な専門家を選ぶことが改善への第一歩となります。
5.1 婦人科でのホルモン補充療法(HRT)
更年期の肩こりがホルモンバランスの乱れに起因すると考えられる場合、婦人科での相談が有効な選択肢となります。婦人科では、更年期に特有の身体的・精神的な症状全体を診察し、総合的なアプローチを提案してもらえます。
5.1.1 ホルモン補充療法(HRT)とは
ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンという女性ホルモンを補うことで、多様な更年期症状の緩和を目指す治療法です。肩こりも、エストロゲンの減少によって血行不良や自律神経の乱れが悪化することで生じやすくなるため、HRTが有効な場合があります。
HRTには、飲み薬、貼り薬、塗り薬など様々なタイプがあり、それぞれの身体の状態やライフスタイルに合わせて選択できます。治療を開始する前には、ご自身の健康状態や既往歴を詳しく伝え、専門家と十分に話し合うことが重要です。
5.2 整形外科やペインクリニックの選択肢
肩こりの症状が強く、痛みやしびれを伴う場合、または更年期以外の原因も考えられる場合は、整形外科やペインクリニックでの相談も選択肢の一つです。これらの専門家は、肩こりの直接的な原因を特定し、痛みの緩和に特化したアプローチを行います。
5.2.1 整形外科でのアプローチ
整形外科では、肩の構造的な問題や、骨・関節・筋肉・神経の状態を詳しく検査します。レントゲンやMRIなどの画像診断を通じて、肩こりの原因が姿勢の歪み、頚椎の問題、腱の炎症など、更年期以外の要因によるものでないかを確認します。
診断結果に基づいて、以下のような治療法が検討されることがあります。
- 薬物療法:痛みを和らげるための内服薬や外用薬
- 理学療法:専門家による運動指導や物理療法
- 注射療法:痛みの原因となっている部位に直接薬剤を注入する方法
ご自身の肩こりの原因がどこにあるのかを正確に知るためにも、一度専門家の診察を受けることは有益です。
5.2.2 ペインクリニックでのアプローチ
ペインクリニックは、痛みの治療に特化した専門家です。特に痛みが強く、日常生活に大きな支障をきたしている場合に相談を検討すると良いでしょう。ここでは、痛みのメカニズムを深く理解した上で、薬物療法や神経ブロック注射など、痛みを効果的にコントロールするための専門的な治療が提供されます。
5.3 漢方や鍼灸といった代替医療
西洋医学的なアプローチだけでなく、東洋医学の視点から更年期の肩こりにアプローチすることも可能です。漢方や鍼灸は、身体全体のバランスを整えることを重視し、体質改善を通じて症状の緩和を目指します。
5.3.1 漢方薬による体質改善
漢方薬は、一人ひとりの体質や症状に合わせて処方されるオーダーメイドの治療法です。更年期の肩こりに対しては、血行を促進し、自律神経の乱れを整え、精神的な不調を和らげることを目的とした生薬が用いられます。
例えば、血の巡りを良くする「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、精神的な緊張を和らげる「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、冷えや血行不良を改善する「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などが、更年期の肩こりやそれに伴う症状に対して検討されることがあります。
漢方薬は、即効性よりも継続して服用することで体質を根本から改善していくことを目指します。専門家と相談し、ご自身の体質に合った漢方薬を見つけることが大切です。
5.3.2 鍼灸によるアプローチ
鍼灸は、身体の特定のツボを刺激することで、気の流れや血行を整え、自然治癒力を高める治療法です。更年期の肩こりに対しては、肩や首の筋肉の緊張を和らげ、自律神経のバランスを調整し、全身の血行を促進する目的で行われます。
鍼灸は、痛みの緩和だけでなく、リラックス効果も期待でき、更年期に起こりがちな精神的なストレスの軽減にもつながると言われています。鍼灸の専門家は、ご自身の体質や症状を詳しく問診し、最適な施術プランを提案してくれます。
専門家への相談は、ご自身の症状を客観的に見つめ直し、適切なケアを見つけるための重要なステップです。一人で悩まず、様々な選択肢を検討しながら、ご自身に合った方法を見つけてください。
6. まとめ
更年期に感じるひどい肩こりは、単なる疲れや姿勢の悪さだけが原因ではありません。女性ホルモンの減少による自律神経の乱れや血行不良、そしてストレスや生活習慣が複雑に絡み合って引き起こされることが多いのです。
この記事では、ご自身でできる即効性のあるケアとして、簡単なストレッチやマッサージ、温めケア、市販薬の選び方をご紹介しました。また、根本的な改善を目指すための食生活の見直し、質の良い睡眠、適度な運動といった長期的な対策も大切です。
しかし、セルフケアだけでは改善が難しいと感じたり、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、一人で抱え込まず、専門医に相談することが重要です。婦人科でのホルモン補充療法(HRT)をはじめ、整形外科やペインクリニック、さらには漢方や鍼灸といった選択肢も視野に入れ、ご自身に合った方法を見つけることが、つらい肩こりから解放されるための第一歩となります。
更年期の肩こりは、適切な対処で必ず楽になります。諦めずに、ご自身の体と向き合ってください。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
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