なぜ今、エストロゲンが注目されているのか
ここ数年、SNSやメディアでも「ホルモンケア」「女性ホルモンバランス」「PMS」「更年期」といった言葉をよく耳にするようになりました。
その中でも特に注目されているのが「エストロゲン(女性ホルモンの一種)」です。
エストロゲンは単に「妊娠するためのホルモン」ではありません。
女性の心・肌・骨・血管・自律神経・脳など、ほとんどすべての器官に関わっており、「女性としての生き方そのもの」に影響を与えています。
このホルモンが乱れると、月経不順、PMS、頭痛、イライラ、不眠、肌荒れ、冷え、のぼせなどが現れます。
そして年齢を重ね、エストロゲンの分泌が減少すると、更年期症状として心身の不調が一気に現れるのです。
しかし、エストロゲンの低下や乱れは「年齢のせい」だけではありません。
現代女性の生活習慣、食生活、ストレス、睡眠不足、体温の低下、血流の悪化――これらすべてが“エストロゲンを生み出す力”を弱めているのです。
リフェムLABOでは、この「エストロゲンを生み出す土台」を整えることを目的とし、東洋医学・分子栄養学・温活・鍼灸を組み合わせたアプローチを行っています。
🍀エストロゲンとは何か?
エストロゲン(Estrogen)は、女性の体を守り、育て、整えるホルモンです。
主に卵巣で分泌され、思春期に急増し、女性らしい体つき・肌・髪・感情を形づくります。
20〜40代前半には分泌が最も活発で、排卵や子宮内膜の形成、受精卵の着床に不可欠な役割を担っています。
一方で、更年期に差し掛かると卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減少。
それに伴い、ホルモンの波が崩れ、自律神経や免疫、代謝のバランスが乱れていきます。
実は、エストロゲンの受容体は全身のいたるところに存在します。
・脳(感情・睡眠・記憶)
・骨(骨密度維持)
・血管(柔軟性・血圧調整)
・肌(コラーゲン・保湿)
・腸(善玉菌維持)
・肝臓(代謝)
つまり、「女性らしさ」を支えるだけでなく、命を守るホルモンでもあるのです。
🍀現代女性にエストロゲン不足が増えている理由
昔の女性に比べ、現代の女性はホルモンバランスを崩しやすい環境にいます。
その理由はいくつもありますが、代表的な3つを挙げます。
① ストレスと自律神経の乱れ
ストレスが加わると、脳(視床下部)からのホルモン指令が乱れ、卵巣への刺激が弱まります。
その結果、排卵が遅れたり、無排卵周期になったりするのです。
特に仕事・家事・育児を両立する女性は常に交感神経が優位になり、エストロゲンの分泌が抑制されがちです。
② 肝臓への負担増加
エストロゲンは「作る」「使う」「代謝する」という流れの中で常に入れ替わっています。
使い終わったエストロゲンを処理するのが肝臓の仕事。
しかし、アルコール、薬、食品添加物、ストレスなどで肝臓が疲れていると、古いエストロゲンが体内に残り、ホルモンバランスを乱します。
③ 腸内環境の悪化
腸内には「βグルクロニダーゼ」という酵素があり、これが多いと処理済みのエストロゲンが再吸収されてしまいます。
つまり、腸の悪玉菌が増えるほど、ホルモンの排泄がうまくいかず、「エストロゲン過多」「PMS」「乳腺症」などを引き起こします。
このように、脳(自律神経)・肝臓・腸の三つ巴がエストロゲンバランスを支えているのです。
リフェムLABOでは、このトライアングルを整えることを「ホルモンの土台づくり」と呼んでいます。
🍀エストロゲンと血流の深い関係
東洋医学では、血は「生命の源」と考えられています。
エストロゲンがしっかり分泌されるためには、まず「血の流れ」が良いことが絶対条件です。
冷えや筋肉の緊張、長時間のデスクワークによって血流が滞ると、卵巣や子宮への酸素と栄養が届きにくくなります。
その結果、卵巣機能が低下し、ホルモンの分泌リズムが乱れるのです。
また、血流は「体温」とも深く関係しています。
体温が1℃下がると、代謝は約12%、免疫は約30%低下すると言われています。
冷えた状態では卵巣も冷え、ホルモン分泌に必要なエネルギー(ATP)が作られにくくなります。
リフェムLABOでは、鍼灸と温活によって血管の開閉リズムを取り戻すことを重視しています。
一時的に温めるだけでなく、「自分の力で血流を巡らせる体」に戻すこと。
これこそが、ホルモンの乱れを根本から整える第一歩です。
🍀肝臓がホルモンの代謝を左右する理由
「ホルモンバランスを整えたい」と思ったら、まず注目すべきは“肝臓”です。
なぜなら、エストロゲンを分解・代謝し、不要になったホルモンを排泄するのが肝臓だからです。
肝臓の働きが落ちると、ホルモンの解毒が遅れ、血中に古いエストロゲンが残ります。
その状態が続くと、頭痛、むくみ、情緒不安定、乳房の張りなど「エストロゲン過多症状」が現れます。
さらに肝臓は、血液を貯蔵し、全身に血を巡らせる役割もあります。
東洋医学では「肝は疏泄を主る(気の流れを調える)」とされ、肝が滞るとイライラ、緊張、ため息が多くなり、結果的にホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。
肝臓の疲れを取るためには、
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睡眠の質を上げる(夜23時〜1時が肝のゴールデンタイム)
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脂質と糖質を摂りすぎない
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ビタミンB群・マグネシウム・タウリンなどをしっかり摂る
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鍼灸や温活で肝経(脚の内側)を流す
こうした習慣が、ホルモンバランスの安定につながっていきます。
🍀腸内環境とホルモンの再吸収
腸は「第二の脳」と呼ばれますが、ホルモン代謝の面から見ると「第二の肝臓」とも言えるほど重要な臓器です。
腸内環境が悪化すると、せっかく肝臓で分解されたホルモンが再吸収され、再び体内に戻ってしまう――これを腸肝循環と呼びます。
これが続くと、体内のホルモンバランスが崩れ、PMS・ニキビ・不眠・月経不順などの原因になります。
一方、腸内環境が整っていると、余分なホルモンがしっかり排泄されるだけでなく、腸内で「セロトニン(幸せホルモン)」の生成も高まり、自律神経の安定にもつながります。
リフェムLABOでは、鍼灸によって腸の蠕動を促し、腹部の血流を整えることで「腸の炎症を減らす」治療を行います。
また、分子栄養学の観点からは、
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発酵食品や食物繊維で善玉菌を増やす
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消化力を上げる(よく噛む・胃酸を保つ)
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タンパク質とミネラル(亜鉛・マグネシウム)を補う
ことを指導しています。
腸は単なる「消化の場」ではなく、ホルモンの排泄・免疫・感情の司令塔でもあります。
腸が整うと、ホルモンも自然と整うのです。
🍀自律神経とホルモン分泌のリズム
ホルモンの分泌は「自律神経」と密接につながっています。
エストロゲンやプロゲステロンを分泌する卵巣は、脳の視床下部からの指令で働いています。
この視床下部は、体温・睡眠・食欲・感情などをコントロールしている自律神経の司令塔でもあります。
つまり、自律神経が乱れればホルモンのリズムも乱れる。
逆に、自律神経が整えば、ホルモン分泌も整うのです。
● 現代人は常に「交感神経優位」
ストレス・スマホ・過労・寝不足・カフェインなどにより、交感神経が働きっぱなしの人が増えています。
本来、女性の体は副交感神経が優位なときに「ホルモンが分泌される設計」になっています。
リラックスできず、常に緊張している状態では、卵巣は“ホルモンを作る余裕”を失ってしまいます。
● 鍼灸で整える「自律神経リズム」
リフェムLABOでは、首・お腹・手足にある自律神経ポイントを鍼灸で刺激し、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。
特に「呼吸が浅い」「寝ても疲れが取れない」「夜中に目が覚める」という方は、副交感神経の働きが弱っているサインです。
副交感神経がしっかり働くと、血流が良くなり、卵巣への酸素供給も改善。
さらに、脳のホルモン中枢が安定し、エストロゲン分泌のリズムも戻ってきます。
🍀東洋医学からみたホルモンバランスの乱れ(肝・腎・脾)
東洋医学では、ホルモンという言葉はありません。
しかし、ホルモンの働きに相当する「気・血・水」「陰陽」「五臓六腑」の考え方が存在します。
エストロゲンの働きに関わる主な臓腑は、**肝・腎・脾(かん・じん・ひ)**の3つです。
● 肝(かん)…ホルモンと感情をつなぐ
「肝は血を蔵し、疏泄を主る」と言われ、気と血の流れを調整します。
ストレス・イライラ・怒り・緊張が続くと肝の働きが滞り、「気滞(きたい)」という状態に。
その結果、月経痛・排卵痛・PMSなどが起こります。
肝を整えることは、ホルモンの“めぐり”を良くする第一歩です。
● 腎(じん)…生命力とホルモンの貯蔵庫
腎は「先天の本」と呼ばれ、生命エネルギーを蓄える臓です。
エストロゲンの分泌が低下する更年期は、腎のエネルギーが不足する「腎虚(じんきょ)」の状態。
冷え・疲れ・足腰のだるさ・白髪・耳鳴りなども腎のサインです。
腎を補うことで、ホルモンのベースとなる「生命力」を取り戻します。
● 脾(ひ)…消化吸収とホルモンの材料
脾は食べたものを「気血」に変える臓です。
脾の働きが弱ると、食べた栄養が吸収されず、ホルモンを作る材料(脂質・タンパク質・ミネラル)が不足します。
これは分子栄養学でいう「栄養欠乏」に相当します。
脾を整えることは、「ホルモンの材料をしっかり作る」こと。
この3つの臓を整えることが、東洋医学的なホルモンケアの基本です。
リフェムLABOでは、体の反応(脈・舌・腹・気の流れ)を診ながら、このバランスを調える施術を行っています。
🍀妊活・更年期に共通する“エストロゲンの波”
妊活と更年期――。
一見まったく異なる時期に思えますが、実はどちらも「エストロゲンの波」に深く関係しています。
● 妊活期:卵を育てるエストロゲン
排卵前にエストロゲンが上昇し、子宮内膜を厚くし、卵を成熟させます。
しかし、ストレスや冷え、栄養不足によりエストロゲンが十分に出ないと、卵の育ちが悪く、排卵が遅れたり、内膜が薄くなったりします。
● 更年期:波が小さくなるエストロゲン
40代に入ると、卵巣の反応性が落ち、エストロゲンの波が不規則になります。
すると、自律神経が混乱し、のぼせ・不眠・動悸・情緒不安などが現れます。
● 共通するキーワードは「リズム」
妊活でも更年期でも大切なのは、「ホルモンを増やすこと」ではなく、「波を整えること」。
リフェムLABOの施術は、この“ホルモンの波”を自律神経と血流から調律していくことを目的としています。
🍀リフェムLABOのアプローチ
─ 鍼灸 × 温活 × 分子栄養でホルモンを整える ─
リフェムLABOでは、「エストロゲンを直接増やす」のではなく、
『エストロゲンを生み出す体』を取り戻すための根本アプローチを行っています。
① 鍼灸:気血の流れと自律神経を整える
鍼灸は、体の深部の血流を改善し、自律神経のバランスを整える最も効果的な方法のひとつです。
特に、肝経・腎経・脾経を中心に施術し、卵巣・子宮・肝臓・腸への血流を促します。
また、鍼の刺激が脳の視床下部・下垂体を活性化し、ホルモン分泌リズムを安定させることも科学的に確認されています。
② 温活:血流と代謝を上げる
よもぎ蒸し・温灸・温熱整体などで深部体温を上げ、毛細血管の拡張・ATP産生を促進します。
冷えが改善されると、肝臓・腸・卵巣の働きが高まり、ホルモンの循環がスムーズになります。
温活は一時的なリラックスではなく、「血管を開く力」を鍛えるトレーニングでもあります。
③ 分子栄養:ホルモンの材料を補う
ホルモンを作るためには、栄養が不可欠です。
エストロゲン合成には、脂質・コレステロール・鉄・亜鉛・ビタミンB群・マグネシウムが必要。
分子栄養学の観点から、食事やサプリを用いて体内の代謝ルートを整えます。
リフェムLABOでは、血液検査の数値を読み解き、個々の体質に合わせた栄養プランを提案しています。
この3つを組み合わせることで、体の内側から「ホルモンを作れる体」へと導いていくのです。
🍀体質改善の流れと実際の症例
リフェムLABOでは、ホルモンバランス改善の流れを「120日周期」で捉えています。
これは、卵の成長サイクル・血液の入れ替え・細胞再生のリズムに基づいた考えです。
● 1〜2ヶ月目:体のリセット期
血流・自律神経・腸内環境を整える段階。
冷えやむくみが軽減し、睡眠が深くなる。
(例:35歳 妊活女性/便通改善・基礎体温が安定)
● 3〜4ヶ月目:ホルモンリズム回復期
排卵や月経周期が整い、気分の波も穏やかになる。
(例:38歳 PMSが軽減し、肩こり・頭痛が消失)
● 5ヶ月目以降:エネルギー循環期
体が“自分で整える力”を取り戻し、肌ツヤ・睡眠・集中力が向上。
(例:45歳 更年期症状が軽くなり、冷えのぼせが解消)
このように、ホルモンケアは「短期間で結果を出すもの」ではなく、体質を根本から作り替えるプロセスです。
だからこそ、焦らず、波に寄り添うことが大切なのです。
🍀エストロゲンを自然に育てる生活習慣
エストロゲンを整えるには、日常の小さな習慣が大きな鍵になります。
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朝日を浴びる:体内時計をリセットし、ホルモンリズムを整える
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深呼吸する:副交感神経を優位にして血流を促す
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温かい食事を摂る:胃腸を冷やさず、消化吸収を助ける
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良質な睡眠:肝臓の再生・ホルモン分泌の時間帯を確保
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鉄・亜鉛・B群を意識する:ホルモン合成に必要な栄養を確保
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「頑張りすぎない」:肝の緊張をほどき、気の流れを保つ
小さな積み重ねが、ホルモンの波を整える大きな力になります。
🍀ホルモンに振り回されず、自分のリズムを取り戻す
エストロゲンは、女性の体と心をつくる「波」のような存在です。
上がる時もあれば、下がる時もある。
その波を止めようとするのではなく、波にうまく乗る体をつくることが、真のホルモンケアです。
リフェムLABOが目指しているのは、薬で数値を動かす治療ではなく、
“体そのものがエストロゲンを生み出す力を取り戻す”こと。
それは、妊活中でも、更年期でも、どの世代にも共通しています。
女性が本来持っている「ホルモンのリズム」「自律神経のリズム」「自然治癒力のリズム」を整え、
揺るぎない健康と笑顔を取り戻していく——それが、私たちリフェムLABOの使命です。
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